大先輩から頂いた「ウール」の着物。
長く長く大切に召されていたため、
ウールとは思えないような軽やかさと張りのある肌触りに。
そしてこの袖。
通常49cmの袖丈(長さ)のところ、
この着物は43cmと短くなっており、さらに袖の「丸み」が並寸より3cm大きくなっています。
「みかん」と「グレープフルーツ」ぐらいの丸みの違いです。
袖の丸みは普通、振袖のように袖丈が長い着物の場合には大きくなります。
でもこの着物は、袖丈が短い上に丸みが大きい??
街を歩いていても、なっかなかお目にかかれないものです。
それもそのはず。
この袖の形は、「日常家事をするのに適した袖型」だったのです。
「短い袖丈→邪魔にならない」「大きな丸み→何度洗っても袖が縮みにくい」
この大きな2大利点を備え持った知恵の型でした。
そして忘れてならいのが・・・「遊び心」
仕立て直しをする際に、袖口と裾の補強にクローバーのバイアステープを付けられた様です。
愛すべき大先輩は、このどこかに「四葉のクローバー」を潜めさせているに違いない。
(く)
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