気が付いたのが遅く最終日の終わり間際にギリギリ駆け込みで間に合いました。


表参道にて開催されていた
「東京のキモノ 大羊居・大彦 60年ぶりの兄弟展」、染の着物の展覧会です。

自分も中田堂を始めるまでずっと染の着物の世界で生きてきたので
もうギュッと心を掴まれました。
着物のデザインのすごさ、それを表現する技術の素晴らしさに圧倒されました。
会場で説明して頂いたのですが、着物を作るのとは別に
染の技術を後世に残すために同じ図案を様々な染の技法で表現したパネルを
昭和30年代に制作しており今回はその一部を展示
友禅からローケツ、絞り、更紗などなど見ごたえありあり
全部をいつか見てみたい!と思いました。

伺ったお話の中で印象的だったのは、昭和十年の頃にもうすでに
この染色の技術がもう先がないと思ってどうやって後世に残していくかと
考えておられたと・・・
今この時代、自分が着物の仕事にずっと携わってきてどんどん技術がなくなっていくことを
日々実感しているのですが、それはもう昭和の初期から危惧していた人が
いたんだなぁと、江戸から明治にかけての職人技をずっと見てきた
功造にとって昭和に入り戦争に突入していく中で染の技術が
どんどん失われていくことにとても危惧していたのだろうと・・・
今の時代は着る人がいなくなっていくことで技術がなくなっていくという
自分には何もできないことがもどかしくもありますが
少しでも着物の世界に貢献できるように生きていくしかないのでしょうね。
自分にできることをしていくしかないのかなあと・・・・
とても素晴らしい展覧会でした。
(あ)